みんなの家を「いごこちのいい家」に!

新築もリフォームも設備に頼りすぎず、できる限り建物そのものを工夫して、快適・省エネを実現して、みんなで心豊かで健やかに暮らすためのお役立ちブログ

みんなの家をいごこちよくするためのヒントを書いてます。

窓はつけっぱなしの電気ストーブ

まだまだ暑い日除けつけて

9月に入りほんの少し温度が下がりましたがまだ侮れませんね。

 

僕は外へ出るとついつい他のお家が気になってしまうのですが、シェードや簾をつけているお宅がまだまだ少なく感じます。

 

エアコンを上手に使いましょうとよくメディアで訴えていますが、

 

その通りと思う反面省エネのためにも日除けの採用をもっと訴えていかないといけないのでは?と思ってしまうのは僕だけでしょうか?

 

日除けをつけないのはなぜなのか?

①どんなに日除けをしても、それだけで夏に室内で快適に過ごせるわけではない。

②だからエアコンを使う

③エアコンを使うから別に日除けはいらないのでは?と思う

④つけるのがめんどくさいもん

 

という悪いルーティーンになっているような気がします。

それは、快適にはなるかもしれないけど省エネではない。ということになってしまうんですけどね。

 

省エネエアコンを使っているから、省エネに寄与しているといわれそう。では、もったいないですよというアピールの仕方にしようと思います。

 

窓は電気ストーブと捉えましょう

なにを言っているのかといわれそうですが、自分はこれでやっぱり日除けちゃんとしようと思いました。

 

夏の南面の窓に当たる太陽のエネルギーは

最大444.4W/㎡、平均140.8W/㎡で

東西面は

最大694.4W/㎡、平均で168.4W/㎡だそうです。

 

我が家のようなシングルガラスは88%の熱が入るので

夏場の南面

最大444.4W/㎡ × 0.88=391W/㎡

平均140.8W/㎡ × 0.88=124W/㎡

 

夏場の東西面

最大694.4W/㎡×0.88=611W/㎡

平均168.4W/㎡×0.88=148W/㎡

 

のエネルギーが1㎡あたり部屋に入りになります。

 

我が家は南面に約17㎡の窓があるので

最大17㎡ × 391W/㎡=6648W/㎡

平均17㎡ × 124W/㎡=2108W/㎡

 

東西面は15㎡のまどがあるので

最大15㎡ × 611W/㎡=9165W/㎡

平均15㎡ × 148W/㎡=2220W/㎡

 

合わせると

最大で15813W/㎡

平均で4328W/㎡

の太陽エネルギーが家に入り熱に代わっています。

 

これを電気ストーブに換算すると

 

1本の電熱線のワット数は500Wが一般的で、これが2ほんついていることが多いと思うので、

 

1台が1000Wの電気ストーブが最大で15.8台・平均で4.3台ついているのと同じことになります。

 

これはやばいですよね、あまりにももったいないというかバカバカしい。

 

だから我が家はすべての窓に日よけをつけて、電気ストーブを切っています。

 

日除けをつけたら17%しか日射熱エネルギーは入ってこないので

最大で13台、平均で2.6台の電気ストーブを切ることができます

 

あなたの家の電気ストーブは何台つきっぱなしですか?

 

日除けをつけて電気ストーブを消してパッシブな暮らしをしましょう。

 

 

パッシブデザイン③自然風利用

自然風利用の狙いと条件(野池政宏さんのパッシブデザイン講義より)

①涼感を得る:風を体にあてるとえられる

②排熱する :建物内にこもった熱を外に出す

 

条件:外気が比較的低い時期(夏場の夜や春や秋)で一定に涼しい風が吹く立地に有効

 

自然風利用の6つのポイントと条件(野池政宏さんのパッシブデザイン講義より)

①全方位通風の確保

②ウインドキャッチャーの活用

③高窓の設置

④立体通風の考慮

⑤窓面積・室内開口部面積の確保

⑥卓越風向の意識

 

条件:適切に窓を開けるという暮らし方が重要。

 

各ポイントと設計

①全方位通風の確保

建物の4面すべてに窓をつけましょうということですよね。

 

 

 

全ての方角に窓がついていて、外からのは視認性が気になってしまう大きな窓は中庭に面しているから安心ですよね。



②ウインドキャッチャーの活用

建物に対して平行に吹いて通り過ぎてしまう風を、捕まえる工夫。

方法としては、縦辷り窓をつけたり、家の壁で風をとらえるたり、縦型の庇などですね。

 

縦辷り窓はなるべく縦長のものの方が風をとらえやすいと思います。

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こんな感じの窓、開けておいても細い窓なら安全ですよね。外から見てもシュッとしてかっこいい窓です。

 

③高窓の設置

暖かい空気は上に昇っていくのでこれを逆手にとって、排熱をするというのが狙いです。

 

あまり大きな窓でなくてもいいと思いますし、天窓でなくても天井付けの高窓であれば排熱してくれます。

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こんな感じの窓、高さよりも幅がある方が効果があると思います。排熱ができたら、エアコンで取り除く暖気が少なくなるので省エネにもなりますね。

 

④立体通風の考慮

下から入った風を上にあげて涼感と排熱を得るという狙いという理解でいいと思います。

 

吹き抜けや階段室を利用して下から上に風を通す、夏の夜などは北側の低い窓から涼しい風を入れることができるとより効果が得やすいと思いますし

 

地窓と高窓を利用すれば平屋でも同様な効果を得ることも可能です。


少しでも低い温度の風を入れたいので北側のなるべく下の方に窓があったらいいですよね。

⑤窓面積・室内開口部面積の確保

換気の回数を計算してくれるソフト?もあるので計算するのが良いと思いますし、対角線に窓を配置したり、無理な場合は縦辷り窓を2枚配置したり

 

それもむつかしい場合は、別の部屋から風を通す欄間などを使ってプライバシーと通風を両立するなどの方法があります。

 

⑥卓越風向の意識

住んでいる地域の良く吹く風向きを意識して、窓の設計をしましょう。

 

風が欲しい時間帯、例えば、夜に良く吹く風向きと逆にウィンドキャッチャーをつけてしまってはもったいないです。

 

自分の敷地にどちらから風が良く吹くのかしらべるには、こちらを参考にしてください。

www.igokochi-labo.com

 

以上が、自然風利用の狙いと設計とポイントですが…

この自然風利用も日射遮蔽と一緒で、どんなにきちんと設計しても、適切に窓を開けてもらわないと期待した結果は得られません。

 

これは結構永遠の課題、便利な快適設備に慣れてしまっている僕たちにはなかなか難しいのかなと思うところもあるのですが

 

外構や意匠設計によって、安全性を確保しながら外をもっと有効におしゃれに楽しく活用する間取りへの取り組みや、窓から観える外の景色のデザイン力のアップや、外部からの視認性を下げる工夫がより必要なのかなと思っています。

 

吹き抜けの中庭を採用することによって、周りの目を気にせずに外を有効に使った生活ができかつ家の中に風を通すこともできますよね。

 

今日もありがとうございました。

 

パッシブデザイン②日射遮蔽

日射遮蔽は夏の基本だけど窓だけではない

 

日射遮蔽は日射しを遮ること、夏の家の中を涼しくするために欠かせない基本的なことというのはもはや言うまでもないし

 

日射を遮ると室内に入る日射熱がその分少なくなるので、冷房で取り除く熱が少なくなって、省エネにつながり家計の負担も減らしてくれます。

 

分かっているはずなのに日除けしていない家が多い

 

外で日傘をさしたり、木陰に入ると風が少しひんやりと感じるのを思い出していただきたいのですが、

 

光というのは物に当たって時点で熱に代わります。だから窓や屋根や外壁に日が当たる前に何か物に当ててしまい日射しを遮れば、日陰になった部分の日射熱は弱まるということ

 

その日射しを遮る物質の力が多きければ大きいほど日陰の部分は涼しくなるということもお判りいただけると思います。

 

今からでも遅くないので日射遮蔽しましょう。

 

日射遮蔽を整理

 

どうしても日射遮蔽というと窓からの日射を遮るイメージを思い浮かべることが多いと思うのですが、もう少し広い概念でとらえるとより整理ができ、より快適な生活ができるし、新築に限らず既存の住宅でもすぐできる夏の暑さ対策がより見えてきます。

 

ここでは、「野池政宏さんのパッシブデザイン講義」の日射遮蔽の5つの概念を紹介します。

 

「①窓ガラスと窓周りに工夫して、窓から入る日射を防ぐ」

「②断熱によって、屋根や外壁から室内に入る熱量を少なくする」

「③通気層や換気によって、屋根や外壁から室内に入れる熱量を少なくする」

「④屋根や外壁の仕上げ材の選択によって、屋根や外壁に当たった日射をはじく」

「⑤植栽や外構の工夫によって、外壁に当たる日射量を少なくする。」

 

新築住宅や大規模リフォームを検討の方はすべて対応できると思いますが、既存住宅の方もあきらめないでください。

 

③④はちょっとDIYでは難しいかもしれませんが、①②⑤はできることがあるのではないでしょうか?

 

①の窓から入る日射を防ぐは基本中の基本。

簾などの日除け・中空ポリカを使った簡易窓・遮光/遮熱カーテンのカーテンボックス等による丁寧な設置。使わない部屋は思い切って窓に断熱材をはめてしまうのもよいと思います。

 

②断熱による屋根や外壁からの室内に入る熱量対策。

部屋は多少狭くなりますが、板状の断熱材を部屋の内側から貼っていく方法はDIYで対応可能で、予算に応じてポリスチレンフォーム・ウレタンフォームなど材質や厚さで、好みの日射遮蔽性能や断熱性能を付加することが可能です。

 

しかし夏の日射遮蔽の断熱材による効果は窓に比べると限定的だということを覚えておいてください。

 

⑤外壁に当たる日射量を少なくする対策

我が家では外構ができるほどの庭はないので、西面と東面には窓よりも相当大きいシェードをつけて外壁に当たる日射しを減らしています。

 

外観を損ねない面であれば葦簀を使って広い面を覆ってしまうのも有効です。

 

いかがですか?この中でも①と⑤はすぐにでもできそうなことではないでしょうか?

 

日除けの効果

ちなみに我が家のような単板ガラスの窓の場合、窓に当たる日射熱の63%家に入れてしまうのですが、外付けの日除け(簾など)をつけただけで14%しか入らなくなります。

 

涼しくなって当然ですよね、冷房代は室内の温度と設定温度の差が少なければ少ないほど減らすことができるので、この際家の周りをぐるっと日除けする勢いで日射遮蔽していきましょう。

 

パッシブデザイン①断熱

断熱の役割

断熱の役割くらいわかるよと言われそうですが、長所もあれば短所?もありますので役割からその概要をお伝えしていきたいと思います。

 

冬の熱損失を防ぐ

 

断熱の役割といえば皆さんのイメージ通り、暖房でせっかく温めた部屋の熱を外へ逃がさないようにするものですよね。

 

熱は高い方から低い方へ移動してしまうので、断熱を上げれば上げるほどその熱の移動を抑えることができます。

 

冬足もとが冷たいのも熱が床下に奪われてしまっているから。

 

建物は床と壁と屋根でできているのでそれぞれ適切に断熱をしてあげれば、熱が逃げにくい建物になるので、とても質の高い室内空間を実現することができます。

 

各部位を適切に断熱するというとこらが肝なのですが、そこはまた後日書くとして今日はあくまでの断熱の概要をお話していきます。

 

冬の窓から入った熱を守る

暖房で造った熱を逃がさないというのが断熱のイメージであることは間違いないのですが、パッシブデザインでは、暖房をつけるという行為に至る前までに醍醐味があると僕は思っています。

 

それは冬、日中に窓から入った熱を断熱を強化することで外へ逃がさないようにし、暖房設備をつけるタイミングを後ろへずらすことを可能にするのです。

 

寒さが厳しいときには、寝ている間に冷たい空を吸ってしまい深部体温が下がって体調を崩す方がいらっしゃいます、暖房の利用し始める時間をずらした分で、寝室の温度を適切に保つという有効利用をお勧めしたいです。

 

夏の太陽熱を建物内に入れない

断熱材は冬だけのものではありません、夏の日射熱は窓から75%は入ってくるという話を以前しましたが、決して壁や屋根から入ってこないわけではありません。

 

実際、夏の2階がものすごく熱いのを体感したことがある方が多いと思いますが、あれは暖かい熱が上がっているのではなく、屋根にあたる日射熱が2階の入り込んでしまっていることが原因です。

 

この日射熱の侵入を防ぐのも断熱材の大きな役割で、夏のことも考え適切に部位ごとに断熱することが重要です。(詳細は後日)

 

冬暖かくを実現、夏涼しくは要注意

冬のは断熱を強化することで、家の中と外の温度差を大きくすることがで室内を快適に導くことがきます。

 

他にも可能にしてくれることがあります。それは、暖房している部屋だけではなく暖房していない部屋も暖かくしてくれ家の中の温度差を穏やかにしてくれるのです。

 

これによって、室内でのヒートショックによる事故などを減らしていくことも可能になります。

 

それ以外にも、室内の表面温度を上げてくれるので、断熱が低く強引に暖房設備で暖かくしている我が家のような家に比べて、温度のバラつきがなく快適の体感が比べ物ならないほどにアップします。

 

一方で断熱を強化する=夏涼しくとは単純にはいかないので注意しなければいけません。壁や屋根の日射熱を遮ってくれるからいいのではないかと思うかもしれませんが、断熱性能を向上させることで建物の保温力が高まって、熱が逃げにくくなるからです。

 

なので、断熱性能の向上をするとで夏涼しくなるとは限らないということも理解しておいてください。

 

詳しくはまた今度、今は夏は断熱の高低にかかわらずひよけをすべての窓にしてください。

 

今日もお付き合いいただきありがとうございました。

快適設備のスイッチを入れる前にできること

快適・省エネと言ったら

皆さんは快適・省エネは快適設備がボタンひとつで勝手にやってくれるものだと思っていませんか?

楽ですもんね、僕もパッシブデザインに出会ってなかったら皆さんと同じだったかもしれません。

 

快適設備はサブ的な位置づけにしなければならない

今の異常気象は人間活動による地球温暖化によって強度を増していると指摘されて久しいのに、国内外で起こる災害は増える一方、このままではまだまだ増えていくでしょう。

 

私たちはそろそろ本気で日々の生活を見直していかなければいけないのではないでしょうか?

 

工場はCO2の排出量は大幅に減らしていますが、住宅は減少傾向にありますがまだまだ足りないのが現状。

 

高性能な新築住宅建築、断熱リフォーム、高効率設備への交換ができる住宅では効果は出ているいいますが、それは限定的ですが、そのような住宅を含めて、一人一人が暮らし方を丁寧にかいぜんすることによる省エネ・省CO2は効果的です。

 

そしてもちろん家計もその分楽になります、だから、快適設備はサブ的なものでなければならないのです。

 

快適≒快適設備

快適=パッシブな暮らし+快適設備

 

家の周りに発電所をつくる

家の周りには太陽光と風があります。これを活用したり調節したりすることをきちんと行ったら、快適設備の使用頻度を下げたり、温度を調整したりすることが可能になります。

 

そうすることで、省エネになり省CO2が可能になるうえ、家計の負担が減ります。快適設備の使用頻度が下がれば長持ちもして買い替えや修理の費用も抑えることができます。

 

太陽と風というエネルギーは家の周りに必ずあり、それを上手に活用調整している方たちは実際にいて、その方たちは家のすぐそばに無料の発電所を持っているようなものなのです。

 

こっれっすごいことじゃないですか?皆さんも持ちましょうよ。

 

快適設備のスイッチを入れる前にできること

 

このような生活は、今日からどこのご家庭でも簡単にできることです。ちょっと面倒だけどとても合理的で、丁寧な暮らしといえます。

 

夏の生活

日中:ひよけをし→扇風機をつけ→エアコン(+サーキュレーター)をつける

夜間:室内よりも室外が涼しい時間帯は窓を開けて過ごす。

 

冬の生活

日中:カーテンを開けて陽射しを入れる

夜間:日中の日射熱をなるべく留める→こたつ→エアコンやファンヒーターなどをつける

 

このようにパッシブな暮らし(受け身な暮らし)と消費電力の少ない家電と快適設備とを上手に組み合わせ、みんなで省エネで省CO2な暮らしをしていきましょう。

 

我が家で「いごこちリフォーム」しよう④トイレ続き

いごこちリフォームとは

 

いごこちリフォームとは、僕の造った造語。

 

普段使いの場所に費用を集中させ快適改修することで、いごこちのよさと省エネの両立を目指すリフォームのこと。

 

これがこれからの時代にはマッチしているはずですよね。

 

夏はエアコンの効いた部屋からトイレや洗面室に行こうと思ったら蒸し風呂状態!

冬は冬で暖房の効いた部屋から出たら急に凍えるほどの寒い!

 

だから快適・省エネリフォームの必要性は感じているけどけど、何でもかんでも値段が上がる時代だし今後の生活のことを考えると、あまり費用はかけられない。

 

でも電気代や灯油代を使いすぎるのを心配しながら、冷房や暖房を使うのを控えるのはとても危険、家の中は夏は熱中症、冬はヒートショックが非常に多いのは今となっては周知の事実。

 

だから、徹底的に普段使いの場所を絞り込み、費用をそこへ集中させ快適と省エネを目指していくリフォームだから、「いごこちリフォーム」はこれからの時代にマッチしているのです。

 

我が家の普段使いの場所

 

我が家の4LDK、使っているのはLDK・玄関ホール・トイレ・洗面・浴室のみ、残りの3部屋は一日いっても2~3回。

 

そこでLDK・玄関ホール・洗面・浴室のみの「いごこちリフォーム(DIY)」をすることにしました。

 

我が家の間取りと普段使いスペース


皆さんも意外と普段使いの場所ってこんな感じじゃないですか?

 

トイレの続き

 

一日のうちに何度も行くトイレ。リビングから出ていくたびに暑い嫌な思いをする現状におさらばしたい。

 

ちなみに、夏の室内が暑くなる一番の原因は日射熱の侵入、だからこれをまず何とかしないことには、エアコンを使って強引に涼しくしようとしても全然効かなかったり、何とか効いたとしても電気代が多くかかってしまうし、エアコンにも負荷がかかって寿命は短くなるでしょう。

 

①日射熱の侵入を防ぐ 

②窓自体を強化する

③エアコンと扇風機を併用する これが正しい順序。

 

ではどこから日射熱が侵入してしまうのか?

 

一番の侵入口は窓。全体の75%が入ってくるといわれています、すごくないですか?だからまず全ての窓に簾などのひよけをつけること最低限必要なことです。

 

全部の窓?と思うかもしれません、皆さんならどこの窓にまずひよけをつけますか?

 

多くの人は南側の大きな窓を思い浮かべるのではないでしょうか?

 

僕はなら、まず南以外の窓に取り付けます。

 

実は日が高くなる正午近い時間帯よりも、朝日や夕日の方が窓にあたる日射熱は圧倒的に多いんです。

 

夏は日が高いため正午近くの時間帯は主に屋根に日が当たり、意外と南側の大きい窓にはあまりあたっていないんですね。

 

夏の太陽は北東から昇り北西に沈むため、早くから朝日が昇り夕日はなかなか沈みません。

 

だからこの時間帯の日射熱の侵入をしっかり防ぐことは、涼しい室内を実現していくうで絶対条件。

 

とは言え、夏の日射熱の窓からの侵入はことごとく防いだ方がいいので、使っていない部屋もふくめて、すべての窓にひよけをつけることを強くお勧めしているのです。

 

次に窓の強化ですね、より日射熱の侵入をやわらげてくれます。

僕はコストを抑えるために中空ポリカの内窓をおすすめしています。

 

窓の次の夏の日射熱の侵入が多いのは屋根なのですが、今回は2階建で1階しか使わないのでいったん無視しますw

 

その次は壁、壁からの日射熱の侵入を防ぐにはやはり断熱です。熱は高い方から低い方に移動します、いくら室内を冷やしても熱が外から侵入してしまってはもったいない。

 

もっともったいないのは、先ほどからお伝えしている通り窓の日除けをつけずに断熱するという行為。窓から入ってしまった日射熱が夕方以降に断熱材によって、よりこもるようになってしまうからです。

 

トイレを快適に

 

我が家のトイレも北側ですが、夏は朝から日がガンガンい当たるのでひよけをきちんと付け直し内窓を取り付けました。実際の効果はこちらでご覧ください。

www.igokochi-labo.com

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今日はトイレの腰壁に部屋の内側から断熱材を貼りました、ひよけ内窓を取り付けた甲斐もあって、トイレに外の暑い熱が侵入しにくくなりました。

 

 

トイレの内張断熱



玄関ホールや勝手口も

 

玄関ホールの外との境界の壁と、勝手口に断熱材を貼り、FIXの高窓には中空ポリカで簡易内窓をつけ、階段の3段目に折れ戸を造りました。

 

おかげでリビングと玄関ホールとの間の扉を開け放っておいても、エアコンが効いてくれて玄関ホールとトイレまで涼しくなりました。

 

勝手口と階段の折れ戸

まあ、階段の折れ戸は夏にはあまり関係なかったかもしれませんが、冬は大活躍のはず。

 

断熱材を貼った分少し狭くはなりますが、快適になってきたし文句ありません、一切解体をしていないのでその分コストを抑えることができるし、改めてとても良い方法だと思いました。

 

この後は色を塗っていきます。

パッシブデザインをもっと知って活用してほしい

今こそパッシブデザイン

ここまでの酷暑がこんなに早くやってくるとは思っていませんでしたね、皆さんもそうだと思いますけど、さあどのようにこの異常気象を乗り越えていきましょうか?

 

僕は今こそ設備機器(アクティブ装置)に頼りすぎない暮らし方に、各家庭で変化していくべきだと思っています。これは相当効果的です。

 

地球温暖化に何か画期的な設備機器などで対応するだけでなく、全員がちょっとずつ暮らし方や建物の在り方を改善していくのです。

 

1985年ころ家庭では今の半分の消費エネルギー量で生活していたそうです。

たしかに僕の家は扇風機でエアコンはなかったし、個人で持っているスマホなどの電化製品もなかったからコンセントのたこ足配線もなかったwでも不便は感じなかったなぁと懐かしく思い出しています。

 

今のような設備機器(アクティブ装置)がなかったけど工夫はしていた気がする、夏は簾をしたり冬は雨戸を必ず閉めたり…ただ、いきなり1985年のような暮らしをしろと言っても現代では無理、下手したら夏は熱中症で死んじゃいますから。

 

僕が言いたいのは、夏には夏の冬には冬の工夫をしたうえで、アクティブ装置を使うようにしましょうよということ

 

この建物の在り方の工夫や暮らし方の工夫をパッシブデザインといいます。

 

パッシブデザインとは、受け身のデザインつまりアクティブの逆です。建物の在り方+暮らし方の工夫で快適と省エネと健康をぐっと引き寄せるデザインなんです。

 

パッシブデザインの5項目

 

夏のパッシブデザイン

①日射遮蔽のデザイン

夏の日射熱の75%は窓から入るといわれています。この日射熱を遮る暮らしの工夫です。

この対策は簡単、明日にでもできます。簾やシェードをすべての窓につけるのです。

我が家で実際に計測してみたのでご覧ください。

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でもこれらの欠点は風を通さないところ。

もし夜の風通しまで考えるのであれば外付けのルーバーやスリットシャッターも検討してみてください。

あと庇があればなおよいのですが、なかなか既存住宅では難しいかもしれないので、新築の方はぜひ考えてみてください。庇というとダサいと思われる方もいるかもしれませんが、庇と同様の役割をする窓周りの工夫もあるので相談してみてください。

 

冬のパッシブデザイン

②断熱のデザイン

熱の出入りを断ることによって冬は暖かく、夏は涼しくを保とうという考えです。

冬はせっかく温めた熱を外に奪われにくいように、夏はせっかく涼しくした家の中に外の暑い熱が侵入しにくいようにすることで、それを実現しようとする建物の在り方の工夫です。

 

これは日射遮蔽のように簡単に対策できにくいものではあるので、新築時から自分たちが目指す性能の断熱をすることが大切ですが、決してリフォームでできないというわけではないので安心してください。

 

僕が今我が家で行っているような、簡易内断熱という方法もあります。

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夏のパッシブデザイン

③自然風利用のデザイン

出来ているようでほとんど出来ていない、風通しの良い家をつくるデザインです。

エアコンがいらない時期は、家の中を自然な風が通り抜けるのはとても気持ちいいですよね、もっと言えばエアコンを使う時間や時期を短くすることも可能にしてくれますよね。

 

でも意外とこれ出来てないと思いませんか?理由の多くは、風を捕まえられてないという事実があること!

 

どういうこと?と思うかもしれませんが、部屋に2個ぐらい窓がある部屋が多いと思います、つまり風が入って出るところがあるのに風が入ってこないということは、風を捕まえられてないんです。

 

要するに風が吹いてくる方向に窓が向いていないということです。でもこれなかなか難しいですよね、じゃあどうすればいいか、1、風向きをしる 2、風を捕まえる のです。

 

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既存のお家でも、縦に庇をつける工夫は意外と簡単にできるのでやってみてください。うちも風通しよくなりましたよ。

 

このほかの自然風を利用したデザインに温度差換気があります。暖かい空気が上にたまる習性を利用して下から高窓を利用して排熱しながら換気できます。

 

一年中のパッシブデザイン

④昼光利用のデザイン

高窓を利用して暗くなりがちな北側の部屋を明るくしたり、明るい部屋から暗い廊下などに光を届ける工夫を建具や垂れ壁などで行う方法です。

明るいとさわやかだし、洗面やトイレで昼間照明をつけないだけでも、積み重ねたらだいぶ省エネになりますよね。

 

冬のパッシブデザイン

⑤日射熱利用暖房のデザイン

冬の日射熱、実は馬鹿にできません。これを取り入れて保温したり蓄えたりするわけですが

 

蓄えるのは、きちんと計算やそれに伴う施工が必要なのでなかなか難しいですが、

 

冬の昼間、南側に大きな窓のカーテンを開け暖かい日差しをたっぷり入れ、日が当たらなくなったら雨戸や厚手のカーテンをしっかり閉める

 

これだけでも毎日きちんと丁寧な暮らしをするだけで、冬の暖房の消費エネルギー量は大きく変わってきます。

 

これらがパッシブデザインです。これらの工夫をすることで、設備機器(アクティブ装置)にかかる電気代や燃料代を減らすことができますし、設備機器も長持ちします。

 

これが僕がもっと知って活用してほしいパッシブデザインです。今後も各デザインについてなど更新していくのでよろしくお願いします。

 

 

 

みんなの家がいごこちよくなると、きっと健康と省エネにつながります。